心豊かな聖地の旅を

 伊勢神宮、出雲大社、言わずと知れた京都に奈良に富士山に、九州には高千穂地方、世界遺産の熊野古道・・・。
 四方を海で囲まれた島国、日本には数え切れないほどの聖地があります。近年、パワースポットとして、日本中から、また海の向こうの世界からもさらに多くの人々を惹きつけています。
 そこには素晴らしい特別な何かが在る、だからこそ日本の聖地は、この広い世界の中から人々を集め続けるのではないでしょうか。

 例えばそれは鮮やかな緑、厳しい寒さが見せる雪や氷の美しさかもしれません。
空と緑と素朴な建造物の穏やかな風景は、時を経て目を閉じても何回も蘇ることでしょう。
目には見えない土や花や緑の香り、澄んだ空気、清らかな水に触れる一瞬。
地元の美味しい食べ物との出会いも魅力的です。
 一期一会の語らいの中、誰かに言ってほしかったメッセージを受け取るのかもしれません。
言葉では上手く説明できない、あなただけが理解できる第六感であるかもしれません。
 日本の聖地にはあなたの求める何かがある、そう願っています。

 さて、このブログでは日本神話の世界へご案内致します。
中でも、「古事記」と「日本書紀」に描かれた神話部分を中心に取り上げて参ります。
1000年以上も遡るいにしえの時代に創られ、ロマンあふれる謎が描かれた日本最古の歴史書。
今日では、日本神話の代表作として、二書をまとめて「記紀神話」とよばれています。
 記紀神話が一段落しましたら、「風土記」等、地域に根差した書物に描かれた神話もご紹介していく予定です。

 これらの神話は、日本を舞台にした素朴なお話です。
また、四方を海で囲まれた小さな島国、日本で生まれたお話でありながらも、ギリシャ神話を始め、世界各地の大陸に伝わる神話となぜか非常に似通った部分もあります。
もちろん古代日本ならではの、独自の発想を意外に感じる部分もあります。
 
神話の中には日本独自の古代文化だけではなく、世界共通の古代文化も感じとって頂けるのではないでしょうか。
海の向こうには理想郷があると信じていた時代を駆け抜けた人々から伝わった、どこか懐かしく、そして新鮮なお話です。

 日本神話を旅する時。
一人静かに聖地に立ち、壮大な神話のロマンに思いを馳せる時。
いにしえの扉を開き、日本神話が伝えようとした何かが見つかるかもしれません。
皆様がご自身だけの「特別な何か」を探しに聖地を目指す時。
さらに心豊かな旅となるよう、お役に立てれば幸いです。
 日本はとても美しい国です。
どうぞお気をつけて行ってらっしゃいませ。
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2012/5/25